LANDSCAPE DESIGN

ランドスケープデザイン

<コンセプト>

 九州⼯業⼤学⼾畑キャンパスは、⻑い歴史に培われた⾃然豊かな美しいキャンパスが保たれている一方で、建物の外で話したり、休憩したりする場所が少ないという意⾒・要望がありました。そこで、GYMLABOプロジェクトでは施設の改修にとどまらず、建物外構のランドスケープを併せてデザインし、GYMLABOの魅⼒を⾼めること、そして、利⽤者や来学者のキャンパスの屋外環境を活⽤したアクティヴィティの広がりについても同時に考えていきました。また、GYMLABOランドスケープのデザインによりキャンパス空間の活⽤を促すことで、キャンパス計画のモデルとなりこれからのキャンパス計画にも良い波及効果が得られることを期待しました。
 GYMLABOランドスケープデザインのコンセプトでは、GYMLABO東⻄南北それぞれに未来・過去・現在のコンセプトを設定し、⽩砂⻘松の原⾵景の再⽣、緑陰とベンチの交流の空間、懐かしい体育館の⾵景の継承を⽅針としました。


コンセプトスケッチ 伊東啓太郎、CG制作 谷尾道希、伊東啓太郎、須藤朋美

 

<協働でつくる⼤学のランドスケープ>

学⽣参加ランドスケープデザイン・施⼯ワークショップ

1年⽣から⼤学院⽣を含む学⽣・教職員との協働ワークショップを⾏いながら作り上げてゆくことにより、より愛着のあるキャンパスづくりを⽬指しました。ランドスケープ設計では「環境保全と⽣態⼯学(2021年度)」、コンクリートベンチのデザインと設計では「コンクリート⼯学特論(2021年度)」の授業での受講⽣のアイデアを取り込みました。ランドスケープの施⼯は、浦⽥庭園設計の協⼒のもと、浦田知裕さんや職⼈さんから直接ご指導いただきながら、学⽣参加型のワークショップで作りあげていきました。樹⽊の移植、ベンチの制作、芝貼り、⽯や枕⽊の配置、コンクリートの配合設計と打設(協力:九州工業大学合田寛基准教授・コンクリート研究室)など、普段は経験できない様々な技能を学ぶ機会となりました。

施工・技術協力 浦田庭園設計 九州工業大学合田寛基准教授・コンクリート研究室

 

地域・⼤学の歴史をつなぐ

GYMLABOの南側には様々な樹⽊が植栽されています。⾼⽊の多くは、キャンパス内で過密になっていた樹⽊を移植したものです。また、南側に配置されている個性豊かな⽯材は、鉱⼭学科(現在の建設社会⼯学科)の頃に資料として収集された⽯材を活⽤しています。南・東側の⾜元に配置された正⽅形の⽯は、⻄鉄北九州市電でかつて利⽤されていた軌道⽯です。このように、北九州市や九州工業大学に保存されていた貴重な資源をデザインのなかに取り込むことで、GYMLABOの庭は地域と⼤学の歴史をつないでいます。

 

夜間照明

夜のランドスケープデザインでは、メインエントランスのある⻄側に照明をデザインしました。⻄側には⽩砂⻘松の松林と砂浜、波を表現した⽯の庭がデザインされています。垂直⽅向に延びるクロマツとトクサ、打ち寄せる波に呼応するかたちで、⻑さの不均等な縦の光をデザインしました。この夜間照明には、太陽光パネルで⽇中に発電した電⼒を利⽤しています。

照明デザイン:伊東啓太郎 + 須藤朋美、スケッチ:須藤朋美 技術協力・施工 笹輝一郎

 

館名板の設置

 ⻩⾦⽐に基づいたオリジナルのロゴタイプを、館名板として設置しました。外部に設置した銘板は、材料に耐候性鋼を用い壁⾯から浮かせて設置することで、時間や天候により影が変化し、テクスチャーも変化してゆくデザインとしました。


館名板デザイン:伊東啓太郎+須藤朋美
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